昨年末の話ですが、きゅうり農家になってから初めて野菜(きゅうり)の先生として小学校の授業へ参加させていただきました。お相手は四日市市大矢知興譲小学校の2年生120人。
四日市市は毎年12月に「四日市ふるさと給食」と題して給食に地元の食材が沢山使われるんです。この日は僕が作ったきゅうりのメニューがあり、それに合わせて直接生徒のみんなにお話をしてきました。
授業は大成功。伝わりやすさにこだわって作ったKeynoteのスライドも分かりやすいと好評だったし、子供達も積極的に質問してくれました。話した内容は自己紹介に始まり、きゅうり栽培の事を写真や動画を使って。また実物を渡してイボイボを感じてもらったりちょっとした手品もあり。みんなのキラキラした表情が印象的でした。
また、事前の打ち合わせで僕が農家になったキッカケや仕事に対しての姿勢を伝えていて、それも話しい欲しいと。なので最後は「どんな事でも楽しむと凄い事が起こるよ」と僕の実体験を伝えました。
「イベントに挑戦したら全国からこんなに沢山の人が集まってくれたよ!」「新聞、ラジオ、テレビにも出れたよ!」「表彰されたよ!」「しなやかきゅうりがマンガに登場したよ!」などなど。みんな歓声あげるくらい喜んでくれたし、僕の行動が何かに挑戦するキッカケの一部になってくれたらいいな。大人が楽しんでる姿を見せるってやっぱり大事だ。
授業が終わったあとは教室に移動して一緒に給食をいただきました。僕にとっては小さい頃からの当たり前だけど四日市の給食は凄く美味しいそうです。名古屋から転校した子供たちもこれには驚いたくらい。妻も小さいころに通っていた学校は給食が美味しくなくて苦痛だったと聞きました。
学校で調理できないなど様々な問題があると思うので何が良い悪いと言いたいのではなく「食が大切」と伝える立場の人間としてどこかで”食べる”を楽しめない状況があるなら悲しい。そんな事を思いつつ、25年ぶりに座った小さな椅子と小さな机で食べる給食はとても美味しく童心にかえったひとときでした。
特に嬉しかったのはみんながきゅうりのメニューをおかわりするために列を作ってくれて「美味しい」と何度も声を掛けてくれたこと。教室を移動する時には手足を掴んだり動けなくなるほどみんな懐いてくれました。「明日も来て欲しい」なんて言われたり。(アイドルってこんな感じなのかな…笑) あぁ、紛れもなくここに生産者としての幸せがあるなと思いました。
作り手の顔だけでなく想いや在り方など、人となりが良い印象で伝われば食味に変化が現れる。つまり美味しくなるということです。僕が生徒のみんなに伝えたのはきゅうりの話だけどそれ以上にその”体験”を伝えたかった。みんなの反応を見ていたら、少しはそれが実現できたかな。一方的に“伝える”のではない、相手に“伝わる”ことが大事だから。
農家は高齢化が進んでいて学校側から講師の依頼しても承諾してくれないそうです。数日前の事前打ち合わせで学校へ挨拶に行ったときなんて先生が僕を見て「まさか農家さんだとは思いませんでした」と驚かれたくらいです。
少なくとも同じ町内の農家仲間ナスケンと僕は大歓迎なのでもっと引っ張り出して欲しい。勉強も大事だけど”食”はもっと大事だと思いますよ。
この2つの動画、最高なのでぜひ見てほしい。
今日は #ナスケン小学校PR作戦 実行の日。小学3年生のみなさんに「農家の人の働き方と野菜について」というテーマでお話を。そして終盤にはみなさんからのご支援で購入した #茄子健クン マグネットの手渡しを。聞いてください!この歓声。本当にありがとうございます。まだまだこれからやったります。 pic.twitter.com/yLGLEyQzIk
— ナスケンI農画家I農家のひまわり (@maruhonasu) October 25, 2018
ベテラン農家さんと比べると知識も技術も経験も敵わない。でも、子供たちへの発信力、影響力、行動力には自信があります。
人間は忘れる生き物。もう僕のこと覚えてないんじゃないかな。一年に一度と言わず、食育を大切に思う学校関係者の方はこういう機会を沢山作って欲しい。そして全国の若手農家さんはチャンスがあれば是非手をあげて欲しい。
農業って凄いな、やっぱり楽しいと改めて感じる機会になるから。
最後に、子供たちからもらった質問で印象に残ったもの。
しなやか賞/
「どうしてきゅうりを選びましたか?」
これは僕にとって大事なポイント、視点が素晴らしい。
しなやん賞/
「そのメガネはどこのブランドですか?」
…なんでやねん!でも特徴徴掴んでくれてナイス!笑
本当に楽しい時間でした。僕の話を聞いてくれたみんな、また会おうね!栄養教諭の先生をはじめ、サポートいただいた皆さまありがとうございました。
今年もまたどこかの学校に行けるといいなー。