しなやかきゅうり第6期終了しました|農家4年目は顧客視点を持つ

僕の生産する #しなやかきゅうり の今シーズン最後の収穫を終えました。年二作型の栽培で今回は2月初旬に苗を植えたものが3月中旬より収穫開始だったので、約3ヶ月半にかけて毎日出荷させていただきました。

最後まで一緒に戦ってくれたきゅうり達と

おかげ様で就農開始から徐々に販路を増やすことができていて、多方面から評価や感想をいただけるようになってきました。いつも僕のきゅうりを選んでくださる皆様、本当にありがとうございます!

個人的には今回も高品質なきゅうりを作ることができたと思っていますが、食べてみていかがだったでしょうか?

3年やってみたけど農業はやっぱり素晴らしい

第6期しなやかきゅうり

実は今回、苗を植える定植段階からトラブルが重なって一時はどうなるものか…と心配な部分があったんです。いろんな方からのアドバイスや協力、栽培の工夫を経て無事にこの日を迎えることができて一安心していると共に、一人で農業やってるわけじゃないな、と心強さを感じました。頑張ってくれたきゅうりたちにも感謝しています。

衝動的な勢いと直感で何も知らないままこの世界に飛び込んで3年。今シーズンの終わりと共に農家4年目を迎えることができました。7月1日はしなやかファーム開業の日。毎年ちょっと特別な感情が湧き上がってくる時期です。

就農前、市から就農計画の認定をもらった時

会社員時代もそうでしたが、三年続けると自分や置かれた環境に対して良いところも悪いところもハッキリと見えてきます。

僕はきゅうりしか作った事がないので他と比べることができませんが、人から言われた内容で判断するとしたら仕事的には大変な部類に入るのかな。確かに時間的にも体力的にも追い詰められる事は多々ありますが、やめたいと思ったことはこの三年間たった一度もありません

三重県ではきゅうり専門農家は数少なく、しなやかファームのある四日市市(人口31.1万人)では僕たった一人です。素人からスタートしている僕にとって、同じようにきゅうりを生産している仲間が近くにいないことはマイナス面も多いですが、その分流されずに自分の価値基準で物事を進められるし判断できます。

なので今の感情は誰かを真似しているわけではなく、誰かに言わされているでもない、純粋な気持ち。農業めちゃ楽しいしやりがいのある仕事です。あとちゃんと儲かるよ。

僕には顧客視点が圧倒的に不足している

長靴代わりのコンバース(GORE-TEX)

何も知らない・分からないことを逆手にとって就農時からよーいどん!で農家さんがあまりやらないような事に挑戦してきました。それによって全国に仲間ができたり、メディアの方に取り上げていただいたり、地元でもかなり知られるようになってきました。

それと同時にきゅうり農家として美味しいきゅうりを沢山生産することも成長できている実感はありますが、この一年特に圧倒的に力不足だなと感じたことがありました。それは顧客視点です。

栽培にこだわれば評価される、は誤解。

僕は何かを発信するときに「伝える」ではなく「伝わる」を意識しています。発信するということは受信者の存在を無視することはできません。伝えるだけでは一方的、伝わるということは相手にしっかり届くということです。

その考えをきゅうり生産者としての自分に置き換えると、あーーー!全然足りないと思ったんです。きゅうりをどれだけ作っても買ってくれる人がいなければ意味がないことと同じで、自分では美味しいきゅうりを作っているという自負があっても、それを美味しく食べてもらえるかどうかは別の話

料理をされる方がどんなところを気にしていて、何を知りたいと思っているか。その辺りまで十分に力が行き渡っていない、かなり自分よがりだなと反省しました。

きゅうりの天ぷら(ミニサイズ丸ごと)は超おすすめ

特に感じた部分がレシピ。「どうやって食べるのがおすすめですか?」と聞かれた時に返答ができない。どれだけ品質を高めても、それで終わりじゃないんですよね。そりゃそうだ、なんですがこんな当たり前のことも気づけなかった僕はまだまだ未熟者。他にも鮮度の良いきゅうりの見分け方、長持ちする保管方法などいろいろありますよね。

次作に向けてこの「顧客視点」を強化していきます。スーパーなどで主婦・主夫の皆さんはどこを見ているのか?買ったあとどうしているのか?そして、どう調理している・したいのか?

今まで意識できていなかった部分を奥さんにピッタリくっつきながら改めて感じていきます。また、最近はTwitterを見ていると同業者のみならずお手本になる方がすごく多い。いつも勉強させていただいています!

立ち止まるのも走り続けるのも自分次第だ

2020年の前半戦が過ぎましたが、今年は新型コロナウィルスの影響によって夏に計画していた大きなイベントが流れたり、しなやかファームの増設を見送ったりと挑戦できないモヤモヤがありますがこれも捉え方。

きっと今の状況は自分にとって新しい道が開けるチャンスなので、アンテナをさらに大きく伸ばして行動していきます。すでにいろいろ計画していることもありますが、その報告はまた別の機会に。

すべては家族を豊かにするために、誰かのキッカケになるために。農家4年目のしなやかファーム、百姓しなやんをどうぞよろしくお願いいたします!