理想の夫婦像を考えてみる

今日11月22日は「いい夫婦の日」ということで、僕の考える理想の夫婦像について書いてみようと思う。

20歳の時。大学を中退してフリーターになった僕は、アルバイト先で妻と出会いました。同棲期間も経て25歳で結婚。今年で結婚14年目を迎えました。

三人の子供にも恵まれ、酸いも甘いも経験して今に至るわけですが、よくぞ僕みたいな男に文句一つ言わず(なんてことは全くないけれど笑)ついてきてくれているなと驚きと感謝でいっぱいです。まさかこんなに早くUターンして田舎に帰るなんて思ってなかったと思うし、ましてや農家になるなんて1mmも想像していなかったことでしょう。

ついこの間、二人の会話で「たぶ今が一番仲が良いね」という話題になりました。農家になる前は僕は外で仕事、妻は家で専業主婦という役割がはっきり分かれていて、その時も仲が悪かったなんてことはないんですが、コニュニケーションは圧倒的に不足していました。

平日は夜遅くまで仕事。土日も仕事に行くことが多く、大切にしているはずの家族との時間が日常的にあまり取れていなかったんです。そうなると当然少しずつ歪みが生まれ、度々些細な喧嘩も生まれました。

今は妻も仕事を手伝ってくれていて、ほぼ24時間一緒に過ごしているわけですが、当初は「一緒に農業だなんて絶対上手くいかない」と思っていました。それはお互い性格や仕事への向き合い方が違うことで、短期ならまだしも長期的に連携しているイメージが湧かなかったからです。

それが結果、今すごく上手くいっています。どうしてこんな関係性が作れたかというと、それは今までと比べて圧倒的に増えたコミュニケーション量です。

おそらく小さなお子さんがいらっしゃる方であれば共感いただけると思いますが、段々と夫婦の会話が子供ありきの内容になっていきますよね。だから突然、夫婦だけの時間ができると小っ恥ずかしい部分もあったんですが、改めて自分がどういう風に仕事をしているのか。家族をどう成長させていきたいのか。また、将来子供の手が離れた先に二人でどんな事をしたいか。などなど、普段なかなか言えない事を日々の時間によって少しずつ妻に伝えることができ、逆に妻からも聞くことができました。

ここまでの会話ができるようになってくると、互いの独立した理想から合わさった“二人による目標”が生まれてきます。今はそのために目の前の課題をクリアしていこう、という日々を過ごしています。もちろんまだまだ漠然とした部分も多いですが、これまで言葉にされていなかったものが夫婦の共通語として存在しているんです。

理想の夫婦像とはどんなものか。これはきっと夫婦の数だけ答えがあるんだろうなと思いますが、僕が考える理想とは「二人で向かう目的地があること」です。

若い恋人は見つめ合うだけで幸せだけど、そのまま時間が経つとシミが出た、シワが増えた、お腹が出てきた、なんて欠点が目に入ってきます。そこだけを注目すると「昔はこうだったのに」ともしかしたら嫌いになる原因になるかもしれません。

でも人は必ず老いる。限りある命だからこそ人生には深みがあるし、せっかくならその運命も一緒に楽しみたい。そんなパートナーがいるって最高じゃないですか。

だから理想の夫婦像は“お互いを見つめ合うのではなく、お互いが同じ方向を見つめていること”。きっとこれからも沢山の試練が待ち受けていますが、二人で笑いながらしなやかに進んでいきます。

なーーーんてこれまでいろんな人にドヤ顔で「これが俺の考え方だ!」なんて話してきたんですが、数年前ある人に「これって星の王子さまを書いた人が言ってたやつですよね」と言われて愕然としました。

愛はお互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである

サン=テグジュペリ

100年前に先越されてたー!笑